ユーザー空間とカーネル空間
デバイスドライバを開発する場合、ユーザー空間とカーネル空間について理解しておく必要があります。
一般的なアプリケーション開発の場合、カーネル空間を意識したプログラミングは必要ありません。
しかし、デバイスドライバはカーネルの一部であるため、カーネル空間を意識したプログラミングを行わなくてはなりません。
では、ユーザー空間、カーネル空間とはそれぞれ何なのでしょう。
ユーザー空間とは、アプリケーション(OS上で動作するソフトウェア)が使用するメモリ領域のことであり、
カーネル空間とは、カーネルが使用するメモリ領域のことを指します。
つまり両者の違いは使用するメモリ領域の違いと言えます。
例えば、パソコンに4Gバイトのメモリが搭載されていたとします。
このときLinuxは、3Gバイトをユーザー空間としてアプリケーションに割り当て、残りの1Gバイトをカーネル空間としてカーネルに割り当てます。
ユーザー空間とカーネル空間はそれぞれ独立しており、互いが互いのメモリ領域に直接アクセスすることはできません。
では、何のためにメモリ領域を二つに分けるのでしょう。
カーネルはシステムの中枢であるため、カーネルが動いているメモリ領域が侵されてしまったらOSごと停止してしまいます。
例えば、アプリケーションにバグがあった場合、カーネル空間にまでその影響が及んでしまう可能性も十分あります。
しかし、メモリ領域をユーザー空間とカーネル空間に分け、互いが互いの領域にアクセスできないようにしておけば、少なくともOSごと停止してしまう事態は防ぐことができます。